固有の業務ノウハウがたくさん盛り込まれている古いシステムの機能と業務をそのままに、
日々、多角的な視点から業務運営を行うリアルタイム経営を実現した事例を紹介します。

オフコンのベンダーから、今後は保守ができませんという一方的に宣告された従業員70名ほどの冷凍食肉の輸入卸会社。

食品輸入商社ならではの、きめ細かい顧客対応が求められる業務運営の知恵をたくさん盛り込んだ業務システムがいつ使えなくなるか分からない。

業務運営の知恵をそのままに、オープン化された新システムに移行しようとすると法外な投資が必要だと告げられてしまう。

八方ふさがり中、従来業務はほとんど変えずに、オフコンに盛り込まれた業務運営のノウハウをそのまま引き継ぐためにサピエンスを選択。そればかりか、日次締めで最新の在庫、売れ筋、売上と粗利、資金繰りをリアルタイムで把握する経営スタイルを確立しました。

それも当初覚悟した予算額の3分の1ほどで。

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混乱する現場と疲弊する担当者

日本経済の復活と海外からの製造業の回帰で、いよいよ活気づく部品加工メーカー。これまでにないほどの受注増で、生産現場はますます活気づき、日本の製造業の底力を発揮する機会が増えています。


注文に合わせて製品の種類が増えつつあるのに、受注対応への手間が増え、納期変更も頻発する。それが、せっかく作った計画の変更の繰り返しとなり、現場をますます混乱させることになってしまっている。追い打ちをかけるように、部材が実際いつ入荷するかが分からないという課題を負ったメーカーもあります。現場の活気と混乱が入り混じるなか、さてどういう手を打つべきかという難しい判断を常に求められてはいませんか。


そんなメーカーの現場では、なんとか納期に間に合わせようと、受注品の進捗状況を把握するために工程巡りを繰り返す担当者がいたります。懸命な努力をしても、なぜか工程間で余分な仕掛品が滞留し、それが納期遅れにつながることも。また、現場から手間を掛けてかき集めた実績から、週次や月次の経営会議資料作りに毎度のように忙殺される担当者がいたりします。


多くの中小メーカーは相当の時間と手間を費やして、省力化や合理化のために生産システムを導入しています。それなのに、現場では紙に実績を走り書きし、それをシステムに改めて入力するという二重の手間が起きてしまっている。手書きの入力を強いられてはミスをなかなか無くすことはできません。それが業務運営や経営判断に悪影響を及ぼすことさえあります。


そんなメーカーの現場では、なんとか納期に間に合わせようと、受注品の進捗状況を把握するために工程巡りを繰り返す担当者がいたります。懸命な努力をしても、なぜか工程間で余分な仕掛品が滞留し、それが納期遅れにつながることも。また、現場から手間を掛けてかき集めた実績から、週次や月次の経営会議資料作りに毎度のように忙殺される担当者がいたりします。

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勘違いしているIT技術者が要らないシステム作りのオートメーション化

ピーター.F.ドラッカーという方がいます。日本でも「もしドラ」という本も映画も売れて有名になりました。公立高校の弱小野球部でマネージャーを務める女子高生が、ドラッカーの経営書の本を読み部の組織作りに活かすというストーリーでした。


第2次大戦中、米国ジェネラル・モーターズ(GM)社の経営トップからの依頼で事業を緻密に分析し、その成功要因を理論化したことで大きな評価を得ました。その事業の成功は、大戦後の経済環境ではそう長くは続かないということも見抜いて報告したため、残念ながらGM社では評価されませんでした。しかし、ドラッカーの理論は多くの企業で活用され成功に導き、その名声は今もって日本の大企業にも影響をし続けています。


そのドラッカーの「現代の経営(上巻pp167~174)」という著書に、次の図にあるような下りが述べられています。



プログラマーというIT技術者は専門家であるだけに、優秀であるほど技術そのものに深入りする傾向にあります。それ自体は良いことですが、得てして技術中心の思考をしがちとなり、何のためにその技術を使うのかということがおざなりになることがあります。この図の場合であれば、本来の目的を忘れた2番目の石工です。


業務システム開発の技術者には、それがどんな方々、どのように使うことで業務成果が上がるのかということを推察する能力が要ります。しかし、技術主体の教育や研修を受けているだけでは、そういうことに考えが至りません。また、本来はシステム・エンジニア(SE)が利用者側が望むことを開発技術者に正しく伝えることが望ましいあり方ですが、SEも技術が優秀といわれる方が年数を経てなることがほとんどでしょう。では、プロジェクト・マネージャー(PM)やコンサルタントとはというと、技術そのものについてあまり知らないということがあります。


つまり、情報システムの多くの開発には、コンサルタント、PM、SE、プログラマーの間には、避けられないコミュニーケーションのギャップがあること。そして、プログラマーという専門家に、3番目の石工の意識を求めることが相当に難しいという現実があります。その結果、優秀なメンバーを集めたはずなのに、利用者の要求に応えられない、つまり設計の品質を保てずに崩壊するIT化プロジェクトが少なくないという悲劇が起こることになります。



IT(情報技術)という言葉からは、先端というイメージがあります(今ではそうではないかもしれませんが)。ところがシステム作りの現場では、プログラマーが何やら難しそうなプログラムを手入力しています。どう見てもローテクの手作業です。いってみれば家内工業のような現場です。遥か昔の産業革命では、批判はあれど機械によるオートメーション化によって格段の進歩が生まれました。ここで紹介するサピエンスは、このシステム作り、特にプログラミングのオートメーション化を40年前に実現しています。


では、オートメーション化とは何かについて、やはりドラッカーが著書「現代の経営(上巻pp167~174)」で次の図のように述べています



それをサピエンスに照らし合わせると、次の図のようになります。



サピエンスでは設計図を描くとプログラミングをしなくても即動くと言いました。プログラミングは、それこそプログラマーという技術者の数だけ書き方に個性があります。もちろんシステム会社では、プログラムを書くことへの標準化をしていますが、それでも何かしらの個性があります。これは、技術水準の優劣もあれば、プログラマーがこういうコードを書きたいという思いがそれぞれにあるためです。他者のことですが、このプログラムは凄いと感心したこともあれば、ぐちゃぐちゃで何が書いてあるのか分からないという経験を幾つもしています。そういう私もプログラマーとしては底辺を這うレベルの能力しかありませんが。


オートメーション化の話に戻りますが、原理として「複雑そうなプロセスも、単純な基本パターンがある」とドラッカーは定義しています。サピエンスでは、個性があり技術上の優劣もあるプログラミングを原則無くしています。そして、設計図を描くことで動くと言いましたが、その設計図の基本要素を単に5つとしています。5つの要素を組み合わせることで設計図を描いていきます。まるで「レゴ」というおもちゃのように、基本パーツを組み合わせることでモノつくりをします。「レゴ」もより複雑で精巧なものを作るために、大分にパーツのパターンを増やしてはいますが。業務システムは、サピエンスが用意している5つのパーツを設計で組み上げることで、相当に複雑なものができることは、これまでの実績で証明しています。つまり、「設計プロセス」を単純化することで、サピエンスはシステム作りのオートメーション化を実現しています。


そして、オートメーション化の仕組みとして「フィードバックで、プロセスの投入と成果をバランスさせる」とドラッカーは述べています。サピエンスでは、設計図を描くとそのままシステムが動きます。この作ったものをそのまま直ぐに検証することは、正にドラッカーが述べている投入と成果をフィードバック・ループで検証させていくプロセスそのものです。


最後のオートメーション化の効果として、「低コストと多様化の両立を容易にする」とあります。サピエンスであれば、プログラマーが不要な分人件費を削減できます。そうでありながら、業種業態を問わず様々な事業分野で長年利用され続けているという多様性があります。当社に限っても、サピエンスで関わったプロジェクトには、旅行代理店、ガス供給、複数の輸入食品卸とメーカー、議員事務所、農業生産法人など多岐に渡っています。本家本元のサピエンス・インターナショナル社やサピエンス・テクノロジー・ジャパン社では、それこそ多種多様な業種での実績を誇っています。


サピエンスは、3番目の石工の「業務の仕組みを作っている」という意識を持った方がシステム作りを主導する、まさにIT分野のオートメーション化に先鞭をつけたものです。今はこの分野で幾つものサピエンスもどきのものが出つつあります。また、AIを活用してやはりプログラムが要らない仕組みも出つつあります。今は、IT産業革命の黎明期という時期なのかもしれません。これからは、ますますこの勢いが加速するでしょう。それでは、プログラマーは要らなくなるのかというと、そうではないでしょう。今でも陶芸や織物などでは現代の名工といわれる方々が活躍しています。ITの世界でも優れた職人芸を誇るプログラマーは先端の分野で活躍し続けます。でも、標準品である業務システムであれば、これからの技術革新でプログラマーの存在する場所はどんどん無くなっていきます。サピエンスはそれを証明しています。


今まで述べてきたことを踏まえて、サピエンスでのもの作りの概要を次の図で示します。


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先端の開発技術サピエンスを使って業務運営の知恵を継承し、効率化し効果を高める

計算機科学の分野でも著名なワイツマン科学研究所で、半世紀も前にサピエンスの研究開発を着手しています。その10年後に、米国ナスダック上場企業のサピエンス・インターナショナル社を設立し商用化しています。IBM社のホストコンピューター上で動く商品だったため、IBM社の全面的なバックアップもあって、米国や欧米のグローバル企業での実績を上げています。


日本では、1993年から現在のサピエンス・テクノロジー・ジャパン社がアジア地域の販売を担っています。当初はIBM社のホストコンピューター向けのみでしたが、現在はIBMのオフコン、そしてWindows向けも商用化され、中堅中小企業でもパソコンから商用のクラウドサーバーで利用することができます。





サピエンス・テクノロジー・ジャパン社の実績の中でもサピエンスでの開発力を示すのが、次の図にあるコープネット事業連合への導入例です。日次締めで300万超のオーダーを十数分で処理しています。設計図を読みながら動作するサピエンスでは処理能力が遅いはずだと言われることがありますが、サーバーの能力を強化すれば問題が無いことを証明しています。





当社がプライムで担当した食輸入卸商社の案件では、サポート切れとなったオフコンシステムのオープン化をサピエンスで実現しました。最初の受注案件だったこともあり、サピエンスを学びながらの対応で脂汗を幾度もかきました。それでも、競合他社の見積額の3分の1の予算で実現しました。もちろんのこと、オフコンの機能はそのまま新システムに移行していますので、担当者であれば半日もあれば操作を習得します。このため、操作説明書は作っていません。




機能範囲は、経営、仕入、在庫、販売、販売とすべての業務項目に及んでいます。当初はオフコンの機能がそのまま移行できればそれで良いということでした。しかし、オフコン利用時には事務所内に数多のメモが飛び交う状況だったこともあり、データの一元管理によってペーパーレス化を実現しています。また、オープン化でパソコンがあれば、いつでも、どこからでも利用できるため、出張先からも在庫状況や仕入や販売の価格動向が見えるようにもなりました。




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